それぞれの気持ちがつながるご葬儀

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急なお別れ

突然訪れたお父様のご逝去。
既にお母様も他界をされており、ご長男は、ご覚悟が出来ていた様で、気丈にご対応をされていらっしゃいましたが、ご長女は寂しげなお顔をされていたのが印象的でした。そんな折、以前からご相談をお受けしていた事から、私どもにてご葬儀のお手伝いをさせて頂く事に。

お打ち合わせの席には、ご長男とご長女が揃われお話を進めて参りました。その中で、「にぎやかな事好きだった父なので、大勢の方に来て頂いて見送って欲しいと思うのですが、今の状況を考えると難しいので、私と妹家族だけで行う事にします。」とご長男が伏し目がちに小さな声で仰いました。

続けて、「我が家は無宗教だし、父が喜ぶ葬儀をしたいなぁと。そこで、クラシック音楽が好きだった父の為に、音楽で送ってあげたいと思うのですが、どう思いますか?」と質問を受けました。又、ご長女からも「母の時は、百合のお花大好きだった母の為に、父が全て百合の花で埋め尽くして・・・、その時の満足そうな父の顔をこの前思い出したんです。」と。
故人の事を思う、残されたご兄妹の気持ちが伝わって来ました。

そこで生前、お父上からご相談を頂いていたスタッフとして私から、ご長男・ご長女にお父上のお言葉をお伝えました。
「すべては任す。みんなの気持ちが供養、それで十分」
短いが、とても愛を感じるお言葉。
「お父様もまた、残されたおふたりの事を大変気にされていらっしゃいました。おふたりが決められたこと、間違いなくお父様に届いていて喜んでいらっしゃると思います。おふたりが考えられた音楽葬、とても素敵ですね」

祭壇には、お母様が好きだった百合の花も飾られ、ご家族と一緒に写っている素敵な笑顔のご遺影も輝いており、ご兄妹も大変喜んでいらっしゃいました。とその時、ご長男が笑顔のご遺影に向かってポツリ。「父さんごめんね。我々ふたりの家族だけの9人しかいないけど、許してね。」お隣でご長女も、俯きながら肩が震えていました。

葬儀・告別式も滞りなく終え、ご自宅での後飾りを行っている時、ラヴィエールよりおふたりにあるご提案をさせて頂きました。それは、「お別れの会」を催す事です。我々から「ホテルの広い会場を確保すれば、大勢の方がお父様とのお別れが出来ます。世の中の状況が落ち着けば、軽食などもお出しして、少しゆっくりお過ごし頂ける時間も持てますし、状況が厳しくても、献花だけのお別れの会も可能です。私どもが東急グループとしてワンチームになり、しっかりお手伝いをいたします。如何ですか?」

その時、おふたりは、何とも言えないお顔をされていらっしゃったのがとても印象的で、思い切ってご提案をさせて頂いて良かったと思いました。
その後、少しお打ち合わせをさせて頂き、「お別れの会」は感染も落ち着くと思われる半年後の11月に「渋谷エクセルホテル東急」にて行う事とし、合わせて、四十九日法要や香典返しのお話と、多岐に渡りお話をさせて頂きました。
そんな中で私からのご提案、「四十九日のお集まり、渋谷エクセルホテル東急は如何でしょうか。お集まりの後、お別れの会の会場のお下見も兼ね、お打ち合わせが出来ればと思うのですが。」

おふたりから、「えっ?ラヴィエールさんもいらっしゃるんですか?」と少し驚かれていらっしゃいましたが、生前からご相談を頂いていたご縁でもあり、私東急ラヴィエールがしっかり務めさせて頂く事をお約束致しました。

安心をされたおふたりのお顔を改めて拝見し、ご期待を裏切らず、ご期待以上のお別れの会にするべく、身の引き締まる思いと併せ、更にご長男家族・ご長女家族に寄り添い、想いを現実のものにしなければならないと強く感じました。

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担当スタッフより

参会者の皆さまの絆がとても強く、故人様の人柄を感じられる素敵な会となりました。引退後も故人様を囲んだ飲み会を定期的にされていたとのことで、同じような雰囲気でプロデュースさせていただき、タイミング良く緊急事態宣言も解除されたため、会の直前にアルコールを伴う内容に変更させていただきました。

「お別れの会」に参会された皆さまも故人とのお別れの機会を大切に過ごし、明るい雰囲気で会も進行。和やかで笑顔があふれ、時には目を潤ませる瞬間もあり、会のお手伝いをしていた私たちも温かい気持ちになりました。